Saraboyの生物ノート

生物について色々気ままにかいていきます

【免疫】リンパ球のB細胞とT細胞の分化のしかた(ザックリ概要編)

リンパ球であるB細胞とT細胞の分化様式の違いを非常に完結にまとめました。

 

もっと詳しい内容は別記事でまとめます...

 

 

B細胞】

 

・分化、成熟を骨髄内で終了させる。

 

胎生期の肝臓新生児の脾臓でも分化する。

 

・成熟個体でも骨髄で持続的に産生される

 

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B細胞イメージ

 

T細胞】

 

・骨髄から胸腺へと移動して成熟T細胞となる。

 

・成熟個体では新生T細胞の産生は減少し、

 長寿命のものと中枢リンパ組織以外で

 分裂したものによって維持される。

 

 

正の選択:リンパ球のレセプターが自己抗原と結合するときに

                         生存のシグナルを受け取ること

 

 

負の選択:自己抗原に強く結合するレセプターをもつリンパ球が

                         排除されること→自己抗原に対する免疫寛容の成立

                                     ↓

       大部分の分化したリンパ球は一次リンパ組織からの

                          遊出前or末梢リンパ組織での成熟前に死滅する。

【免疫】抗体のクラススイッチとは?

今回はB細胞で起こっているクラススイッチという現象についてです!

 

 

クラススイッチ(Immunoglobulin class switching)

 

免疫グロブリン定常領域Fc領域)が、可変部を変えることなくIgMからIgGIgEなどに変化することをいう。

 

H鎖の定常領域がクラススイッチを起こすことが知られている。

 (H鎖=Heavy chain)

 

 

抗体のアイソタイプとは?

 

・H鎖によって決まっており、性質や役割が異なっている。

 各性質は以下の通り。

 

  • IgG
    ・IgG1、IgG2、IgG3、IgG4が存在しヒトの血液中に最も多く含まれるクラス。
    ・ヒト免疫グロブリンの約70%を占めている。
    ・妊娠中の母親は胎児に血液を通して供給し、胎児の免疫機能を支えている。

  • IgM
    ・ヒト免疫グロブリンの約10%を占めている。
    ・抗体のY字構造が5つ結合した複合体を形成する。
    ・抗原の侵入に対して最初にB細胞から産生され、一時的に増加する。

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    抗体5量体イメージ
  • IgA
    ・ヒト免疫グロブリンの約10~15%を占めている。
    ・血清や腸液などの粘液に存在し分泌されると二量体を形成する。
    ・IgAは母乳にも含まれており、生まれたばかりの新生児の消化管を守る働きがある。

  • IgEIgD
    ・人においてはごく微量しか存在していない
    ・IgDはB細胞の抗体産生誘導に関与しているともいわれているが、正確にはよくわかっていない。

 

 

 

クラススイッチを誘導するサイトカイン

 

・成熟したB細胞ではサイトカインの作用によって、表面に発現しているIgMの定常部の構造を変化させ、IgG、IgE、IgA産生B細胞へと分化し、メモリーB細胞へと分化していく。

 

・この時に作用するサイトカインの種類によって、クラススイッチの結果産生される抗体の種類も変わっていく。

 

<サイトカインの例>

IL-4:IgG1、IgEへのクラススイッチを誘導する

IL-5:IgAへのクラススイッチを誘導する

IL-6:IgG、IgA、IgMの抗体産生を促進する

INF-Y:IgG2a、IgG3へのクラススイッチを誘導する

TGF-β:IgG1、IgG2、IgG3、IgAへのクラススイッチを誘導する

【生物】染色体にあるキアズマとは?どんな役割があるのか?

生物を勉強していると

「キアズマ」という用語が出てきます。

 

聞いたことはあるけどいったい何のことなのか

さっぱりわからない。

 

という方のために

今回は簡単に説明したいと思います。

 

 

キアズマとは一言で言うと

染色体同士が交差した部分のことを指します。

 

減数分裂の第一分裂前期~中期に見られる構造です。

 

 

減数分裂ですから配偶子の形成過程の中での出来事です。

 

自分自身に置き換えて考えてもらうとすれば、

以下の図はあなたの精子や卵が形成される中で、

あなたの父親由来の青い二価染色体

あなたの母親由来の赤い二価染色体

くっついている状態です。

 

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対合した相同染色体

 

今4本見えている染色分体が

①減数第一分裂

②減数第二分裂

の2回の分裂を経て1本ずつに分かれることで

配偶子が形成されるわけです。

 

 

さて、前置きが長くなりましたが

上の図の星マークの部分が

今回のテーマの「キアズマ」です。

 

キアズマによる働きの1つは

相同染色体同士の接着剤としての役割です。

 

赤い染色分体同士や青い染色分体同士を

繋ぎとめているのはコヒーシンというタンパクですが、

赤と青の染色体を星マークの部分でつないでいるのが

キアズマということになります。

 

(キアズマはタンパク質などではなく

 染色体が交差している部分のことです)

 

 

そしてもう1つの働きは

紡錘糸による分離に抗うことです。

 

これは組換えが起こっている状態ですが

この「キアズマ」があることによって

この後紡錘糸によって引き離される際に

引き離される力に抗うようにキアズマが粘ります。

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二価染色体が引き離されて行く

 

この適度な抵抗力が生まれることによって

染色体が偏ることなく均等に分配されることを

助けていると言われています。

 

キアズマは1対の相同染色体間に複数存在することもあり

逆にキアズマがないことによって抵抗力が生まれず

不均等な染色体の不分離現象を引き起こすこともあります。

 

最終的にはキアズマの部分で結合が起こっていることで

赤と青のそれぞれの染色体から一部が入れ替わり

そのまま分離していってしまいます。

 

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キアズマが繋がったまま上下に分離し組換えが起こる

 

このことを組換えといい多様な遺伝子をもつ

配偶子が作られることに関わっています。

 

 

ということで今回の話をまとめると、、、

 

キアズマの主なはたらきは2つ!

 

①相同染色体間の接着剤としての役割

②染色体不分離を防ぐ役割

 

 

詳しくみていくと細かな分子機構が分かって

生物の面白さに触れることが出来ますね!

 

 

 

 

Saraboy

 

 

 

 

 

 

 

 

【生物】開放血管系と閉鎖血管系とは?イカやタコはどっち?

今回は高校生物の単元から。

 

「開放血管系」「閉鎖血管系」

というものについて説明したいと思います。

 

血管系と聞いてどのようなものを

思い浮かべるでしょうか?

 

我々ヒトの場合、

心臓のポンプ機能によって

血液が全身へと運ばれていきます。

 

心臓から送り出された血液は

血管が枝分かれしながら各組織へと運ばれていきます。

 

各組織に着くころには血管は枝分かれを繰り返し

非常に細い毛細血管となります。

 

そして血液内に含まれる養分、伝達物質などが

各組織の細胞へと分配されていくのです。

 

ヒトなどの脊椎棒物の場合、

この過程の中で血管の中を通っている血液自体は

血管から外に出ることはありません

 

このような形で血液が各組織へと運ばれていく

血管系のことを閉鎖血管系と呼びます。

 

 

一方、一部の生物では心臓を出発した血液が

動脈を一度出て組織間を流れたのちに

再び静脈へと戻ってくるという血管系がみられます。

 

これらの生物は毛細血管を持たず、

血管が途中で途切れたような形になっているということです。

 

このような血管系を開放血管系と呼びます。

 

具体的にどのような生物が

どちらの血管系を持っているのかは

以下のようになります。

 

 

閉鎖血管系をもつ生物

・脊つい動物

環形動物(ゴカイ・ミミズなど)

・軟体動物の頭足類(イカ・タコ)

 

開放血管系をもつ生物

・軟体動物(アサリ・マイマイなど)

節足動物(エビ・カニなど)

 

 

以外と忘れがちなので具体例はしっかり覚えておきましょう!

 

 

 

 

Saraboy

 

【動画】内海哲也と長野久義、巨人ファンの筆者が選ぶ最高のシーン

両親の影響で

物心ついたときからプロ野球

読売ジャイアンツのファンなのですが。

 

先日衝撃的なニュースが立て続けに。

 

それはFAで巨人に移籍してきた

炭谷銀仁朗選手丸佳浩選手

人的補償が誰なのか、というニュース。

 

人的補償については別の記事で述べるとして。

 

これまで長い間巨人軍を支えてきた2人

内海哲也選手長野久義選手がそれぞれ

西武ライオンズと広島カープに移籍することになりました。

 

2人とも巨人の3連覇に貢献するなど

長い間1軍で結果を残してきた選手だっただけに

たくさんの巨人ファンがショックを受けたことでしょう。

 

もちろん炭谷選手を失った西部ファン

丸選手を失ったカープファンも悔しさや寂しさは

あったのだろうと思います。

 

ただ今回の巨人からの人的補償という

制度による2選手の移籍は

選手の意思で決定できるものではないという点で

非常に寂しさを感じてしまいます。

 

プロテクトリストにこのベテラン2名の名前が

無かったという点では球団不信みたいなものに

なってしまいそうではありますが。

 

特に人気の選手だっただけに

とにかく残念です。

 

 

さて、そんな2選手ですが

2011年のシーズン最終戦

感動的な試合を演出してくれました。

 

シーズン最終戦内海哲也選手は最多勝争いを

していたためチームの逆転を信じて5回から9回まで登板。

 

横浜が1点リードのまま9回裏の巨人の攻撃。

 

1点も取れなければ敗戦。

 

2点とれば逆転でサヨナラ勝ち、

さらに内海選手に勝ち星がつくという場面。

 

満塁のチャンスを迎えた巨人は

代打に長野久義選手を起用します。

 

この日、長野選手は首位打者のタイトルを考慮し

打率を落とさないようにベンチスタートでした。

 

ここぞの場面で起用された長野選手が

見事サヨナラ打を放ち内海選手に最多勝

プレゼントしたのがこの最終戦です。

 

試合が決まった瞬間から

内海選手は涙を流していました。

 

ヒーローインタビューまで

是非ともご覧ください。

 


2011.10.22 長野久義 代打逆転サヨナラ満塁ホームラン 【巨人vs横浜 最終戦】

 

こんな2人が移籍してしまうのは何とも寂しいですが

巨人の新しい選手が活躍してくれることを祈ると同時に

この2人の活躍も楽しみに応援したいと思います。

 

 

 

Saraboy

野球のピッチャーからキャッチャーの距離ってどのくらいなのか?

 

テレビで色々なスポーツ観戦をしていると

一体実際にはどのくらいの距離なのだろう?

と思うことがよくあります。

 

サッカーやバスケのコートの広さは

体育の授業の経験から

なんとなく分かったりしますが…

 

野球のピッチャーがキャッチャーに

投げているあの距離、

実際どのくらいなのかご存知ですか?

 

 

正解は…

 

18.44メートル

 

でした!

 

 

と言われてもピンと来ない皆さん、

ボウリングはやったことありますか?

 

あのボウリングで投げる

ファールラインからピンまでの距離が

約18メートル28センチなので

ほぼ同じ距離になっています。

 

意外と遠いと感じる人が多いのでは?

 

あの距離を精密にコントロールする

野球選手は流石だな、と。

 

 

と、考えつつ

バッターの方もすごい。

 

約18メートルの距離の間に

猛スピードで迫ってくるボールを

あの細いバットにあてるのですから。

 

 

といいつつ

僕も野球やってるのですが。

 

18メートルの間で意外と色々なことを

考える時間があるんですよね。

 

横から見てると一瞬なんですが

打席に立つと意外とボールが

よく見えるものなのです。

 

 

スポーツのコートの距離などを

調べてみて、実際に自分の身近なものと

比べてみると

 

スポーツ選手の凄さが分かり、

観戦するのがさらに楽しくなりますね。

 

 

 

 

他の記事も是非是非呼んでください!

 

 

Saraboy 

【動画】単細胞生物が死ぬ瞬間(Blepharisma)

 

Youtubeなどの動画サイトで

のんびり色々な動画を見ています。

 

たまに他の人に教えたくなるほどの

すさまじい衝撃を受けることがあるので

今日はその中から1つ紹介します。

 

この動画では単細胞生物である

Blepharisma ブレファリズマという

繊毛虫の命が尽きる瞬間を見ることが出来ます。

 

単細胞生物というとゾウリムシミドリムシ

といった種類を理科の授業で習いましたが

実際に動いている姿を見る機会はなかったですよね。

 

これらの単細胞生物の中でも

繊毛という糸状の構造を使って運動するものを

繊毛虫(せんもうちゅう)と呼びます。

 

ゾウリムシはこの繊毛虫の仲間です。

 

今回紹介する動画の投稿者のJam's Germsさんは

顕微鏡を使って様々な微生物の動画や画像を

ネット上にアップロードしている方です。

(本業は会社員のようです)

 

動画の説明欄によると

ブレファリズマという生物は本来ピンクの体色で

暗所を好む性質があるらしいです。

 

↓細胞体上部の細かい毛が繊毛

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Blepharisma

暗いところを求めて移動するようですが

明るいところにずっとおいておくと

動画のように死んでしまうようです。

 

では、説明が長くなりましたが

動画を貼っておくのでご覧ください。

 

Blepharisma


Single-celled Organism Dies

 

なんとも儚いですね、、、

 

細胞膜が破れてしまい内部の構造が

出てきてしまっているのが分かります。

 

このような動画を見ると

「生物の命に大きさは関係ない」

ということを再認識させられます。

 

 

いかがでしたか?

また気になる動画をみつけたら

紹介したいと思うので是非ご覧ください。

 

 

Saraboy