【生物】染色体にあるキアズマとは?どんな役割があるのか?
生物を勉強していると
「キアズマ」という用語が出てきます。
聞いたことはあるけどいったい何のことなのか
さっぱりわからない。
という方のために
今回は簡単に説明したいと思います。
キアズマとは一言で言うと
染色体同士が交差した部分のことを指します。
減数分裂の第一分裂前期~中期に見られる構造です。
減数分裂ですから配偶子の形成過程の中での出来事です。
自分自身に置き換えて考えてもらうとすれば、
以下の図はあなたの精子や卵が形成される中で、
あなたの父親由来の青い二価染色体と
あなたの母親由来の赤い二価染色体が
くっついている状態です。
今4本見えている染色分体が
①減数第一分裂
②減数第二分裂
の2回の分裂を経て1本ずつに分かれることで
配偶子が形成されるわけです。
さて、前置きが長くなりましたが
上の図の星マークの部分が
今回のテーマの「キアズマ」です。
キアズマによる働きの1つは
相同染色体同士の接着剤としての役割です。
赤い染色分体同士や青い染色分体同士を
繋ぎとめているのはコヒーシンというタンパクですが、
赤と青の染色体を星マークの部分でつないでいるのが
キアズマということになります。
(キアズマはタンパク質などではなく
染色体が交差している部分のことです)
そしてもう1つの働きは
紡錘糸による分離に抗うことです。
これは組換えが起こっている状態ですが
この「キアズマ」があることによって
この後紡錘糸によって引き離される際に
引き離される力に抗うようにキアズマが粘ります。
この適度な抵抗力が生まれることによって
染色体が偏ることなく均等に分配されることを
助けていると言われています。
キアズマは1対の相同染色体間に複数存在することもあり
逆にキアズマがないことによって抵抗力が生まれず
不均等な染色体の不分離現象を引き起こすこともあります。
最終的にはキアズマの部分で結合が起こっていることで
赤と青のそれぞれの染色体から一部が入れ替わり
そのまま分離していってしまいます。
このことを組換えといい多様な遺伝子をもつ
配偶子が作られることに関わっています。
ということで今回の話をまとめると、、、
キアズマの主なはたらきは2つ!
①相同染色体間の接着剤としての役割
②染色体不分離を防ぐ役割
詳しくみていくと細かな分子機構が分かって
生物の面白さに触れることが出来ますね!
Saraboy